IT研修

研修の準備:対象者の選定・人数

研修を実施するにあたっていろいろと準備が必要になります。主には、

  • 対象者の選定・人数
  • 実施日程・スケジュール
  • 実施会場

などがあります。

研修対象者の選定・人数

実施する研修の対象者をどうするか。新卒研修や内定者研修などは必然的に対象者や人数が決まってきますが、既存社員向けの研修では、ある程度対象者を絞り込むことになります。

ここで、対象者の選定に悩むことがあるかと思います。受講希望者を募るか、対象者を指名して受講させるか、いずれの場合も各部署の上長の方々との調整も発生して煩雑な作業になりがちですが、あくまでも研修の目的に沿って考えることが重要です。研修の目的が基礎スキルの習得なのか、ある業務の効率化なのか、もしくは新事業に向けた人材育成なのか。

研修の目的が明確であれば自ずと対象者も決まってきます。もし研修対象者の選定に迷うことがあれば、その研修の目的を再度見直してみることがよいかと思います。

実施人数については、前述の対象者の選定による他、会場の広さや予算、日程なども関わってきます。業務の都合によって複数回に分けて実施する場合もあります。

1回あたりの人数は

では1回あたり最適な人数は、というと、研修内容や受講者のスキルレベルにもよりますが、例えばPC研修で初級者が対象の場合、一人の講師が見ることができるのは多くても10名程度までです。10名以上になると各受講者の状況に目が行き届かなくなりますので、その場合はアシスタント講師を入れた方が安心です。当然、講師一人が見る人数が少ない方が研修効果は高まります。

対象者のスキルレベルが一定以上でバラつきも少ないようであれば、数十名での講義形式でも問題ないかと思います。また、新卒研修では日程の都合もあり、50名以上や100名規模で実施することもありますが、フォローアップの時間を設けてスキルのバラつきを補完する仕組みを整えたいところです。

ちなみに、PC関連で初級レベルの方が動画やテキストを見ながら自己学習の形式で進めていくことは、なかなか難しいと思います。出てくる用語が分からない、ちょっとした操作の間違いで元に戻せなくなる、などがあるためです。対象者のスキルレベルを考慮して最適な研修形態を選択しましょう。

>>研修の準備:研修日程・スケジュールを決めるにあたって

研修の対象者と人数

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効率のよい操作を学ぶ

Officeソフトをはじめとするパソコンでの仕事は、作業のスピードも重要です。

  • Excelで列を入れ替えるには?
  • PowerPointで直線を引くには?
  • Mac Excelで絶対参照にするには?

操作自体はちょっとしたことですが、よくある作業だけに知っているか知らないかで作業時間も大きく変わってきます。効率的な作業に欠かせないショートカットキーも含めて、少しでも効率的に作業を進めることが大事です。

日常的にExcelを使っている人でも、研修の中で聞いてみると「元に戻す」のショートカットキー(Ctrl+Z)を使っていないケースが意外に多かったりします。また、Excelで言うと非常に使用頻度の高い「セルの書式設定」(Ctrl+1)あたりはほとんど使われていません。いずれもよく使うものなので、作業時間への影響はかなりのものです。

ビジネス向けの研修では、基本的な操作や考え方に加え、いかに効率的に作業を行うかを重視しています。本来、PCでの作業は最小限にして、顧客対応や営業活動、企画などに時間を使うべきです。そのためにも効率的な操作を身に付けて頂きたいと考えています。

※例で挙げた操作方法は以下になります。

  • Excelで列を入れ替えるには?:Shiftキーを押しながら列全体をドラッグ。
  • PowerPointで直線を引くには?:線を引くときにShiftキーを押しながらドラッグ。
  • Mac Excelで絶対参照にするには?:2011ではcommand+T、2016ではF4キー。

中途入社の方にも安心の研修を

新入社員向けビジネスマナー研修

多くの企業で行っている通年採用。経験者採用や第二新卒の採用など、いろんなケースがあります。異業種間での転職もよくありますし、これまでの経験を活かして新たな職種にチャレンジすることもあります。

即戦力を期待しての採用の場合、文字通りすぐに活躍してほしいところではありますが、やはり業種や企業ごとの文化もあるので、入社時には何らかの研修を実施するケースがほとんどです。社内各部署の説明の他、異業種からの転職や第二新卒の場合は、基礎スキルの研修などを行うことも少なくないようです。

企業での実務経験があるとはいえ、ビジネスマナーやPCスキルが自社の求める水準にあるかどうかは分かりません。そのため、入社時にあらためて基礎スキルの研修を実施するわけですが、実際に研修を実施してみると意外に抜けている部分があったり、曖昧な部分が見えてくることもあります。

ビジネスマナーについては、職種によっては電話応対や来客対応、名刺交換などを今までやったことがない、ということも多々あります。ある程度の規模の会社になると個々の役割がはっきり分かれていることもあり、むしろ「ひととおりなんでもできます」という人の方が少ないでしょう。

PCスキルについても同様です。「既存のExcelシートに入力していただけ」「Wordで簡単な文書を作っていたぐらい」など、業務の中でなんとなく使っていたという人も多く、自分のスキルに不安を持っているという声も聞きます。

中途入社向けパソコン研修研修を実施すると、受講者は自分の分かっているところ、そうでないところがはっきりします。そして自分の今のスキルが分かればこれからやるべきことも見えてきます。た、自分の経験を振り返り、スキルを確認するよい機会とも言えます。

経験を活かして、本当に即戦力として活躍してもらうために、ビジネスマナーもPCスキルも研修を通じて早い段階で不安を無くしていきましょう。

IT研修前の準備と確認事項

IT研修を依頼する際に、確認すべき事項がいくつかあります。研修を効果的なものにするために研修会社の担当者と一緒に準備を進めていきましょう。

IT研修で確認することは

基本事項

研修の実施にあたってまず確認する基本事項です。

  • 受講人数
  • 研修の目的とゴール
  • カリキュラム
  • 研修会場
  • 日程、開始・終了時刻

会場・設備

研修内容に応じて準備します。事前に担当者や講師と確認しましょう。

  • 受講者の座席、配置
  • 講師の位置
  • 受講者用PC、講師用PC
  • プロジェクタとスクリーン
  • 各PC用電源
  • 講師用マイク
  • ホワイトボード
  • インターネット接続

その他詳細事項

  • 当日のスケジュール
  • 受講者リスト
  • テキストや演習用ファイルの配布方法
  • PC, Officeソフトのバージョン
  • 事前課題、研修前後のスキルチェック
  • フォローアップ研修

不明な点は細かいことでも研修会社の担当者にどんどん聞いておきましょう。効果的な研修のためにはしっかりとした事前準備が欠かせません。

Excelスキルの目安は

Excelが使えるかどうか

Excelの研修を実施するにあたって、受講者の方々のExcelスキルレベルをある程度確認する必要があります。そしてスキルレベルの目安として、よく挙げられる項目のひとつに「VLOOKUPが使えるかどうか」があります。VLOOKUPが使えると初級レベルはクリアしているという判断です。

Excelスキル

VLOOKUPが使える人は、基本的な操作や数式の入力、関数の基本はできていると言えますので、研修を実施するとしても、中級編からで問題ありません。(独学で進めてきたので基礎から確認したい、というケースもありますが)

逆に言えば「VLOOKUPは使ったことがない」「使ったことはあるけどあまり自信がない」という方は初級者レベルということになります。ですので、初級者レベルの方がスキルアップを目指す場合「VLOOKUPを使えるようにする」というゴールを設定することも多いわけです。でもなぜVLOOKUPなのでしょうか。

これは、VLOOKUPが実務で非常によく使われる関数であることに加え、VLOOKUPの引数を理解しているということは、他のいろいろな関数を利用するためのベースができていると言えるからだと思います。また、ExcelでイメージしやすいSUMなどの「計算」と違って、「検索」という概念になるので、Excelの関数を理解するステップとしてもちょうどいいのかと思われます。

Excelスキル 中級レベルになるためには

Excelスキル

VLOOKUPが使えるようになると、ひとまず初級レベルはクリアと言えますが、もう少しステップアップするためには何が必要となるのか。関数やピボットテーブルなど、いろいろありますが、考え方としてひとつ挙げたいことは、「作業用のセル(または行や列)を使えるかどうか」です。

この「作業用のセル」を使うという考え方は、Excelを使用するうえで非常に重要になってきます。ごく簡単な例で言うと、消費税を計算するのに「=A1*0.08」とするのか、「=A1*B1」としてB1セルに”8%”と入れておくか、です。

これは、セル参照というExcelの基本概念をしっかり理解できているかどうかの目安になります。この点はExcelの根本的な考え方につながりますし、実務でも大きなポイントになってきます。

単に関数の使い方やExcelの機能を覚えるのとは違って、より実践的な考え方になってくるため、初級レベルからのステップアップにはこのあたりを組み込むのがよいかと思います。

Excelスキル アップのための講習

新入社員向けIT研修、何をやっている?

新入社員研修では、やはり基礎スキルの研修がメインとなりますが、 新入社員向けIT研修 の中でも定番の人気カリキュラムは、Excel研修です。続いてPowerPoint研修とWord研修となっています。またビジネスメール研修も増えています。

アップナレッジで実施した新入社員研修、内定者研修の内容を実施時間数で見てみると、Excel研修、PowerPoint研修の次がビジネスメール研修となっています。

社会人としてビジネスメールの基本をしっかりと身に付けてほしい、というご要望が増えていることもありますし、Word研修に使う時間が他に比べて短いことも多いため、割合としてもビジネスメール研修の時間数が大きくなっています。

新入社員向けIT研修

Excelは前述のとおり定番研修となっていますが、業種や職種によらないベーシックスキルとなっていることがあります。PowerPointはある程度、必要とされる職種が絞られることもあるため、時間数は少なくなるものの、カリキュラムに組み込むことが多い状況です。Wordについては、通常のビジネス文書を作成するための操作はできる人も多いことから、時間数的には他に比べて少なめです。

もちろん業種や職種によって変わってきますが、新入社員向けIT研修 においては概ね上記のような割合で行われることが多いと思います。研修に使う時間や費用を有効に活用できるよう、必要な研修を必要なだけ、効率的に実施したいところです。